錠前について

作者:   SLloc7uK   |   カテゴリー :   錠前について

暮らしと錠前

錠前は私たちの暮らしにはなくてはならない物である。
住宅や店舗・オフィスなどの出入り口はもちろん、机の引き出し、
金庫、ロッカー、郵便受けや自動車、バイク、自転車などありとあらゆる物に鍵と錠前は使われている。

錠前は私たちの財産や命を守る大事な物である。
家の鍵を失くした、などということになると大変な問題である。
錠前を知ることは、より効果的に錠前を利用するために必要であり、
普段のメンテナンスを怠ればトラブルになることもある。
錠前に関する正しい知識を持つことは、安全で安心な暮らしを守る上でとても重要なことである。
では、錠前とは何を指しているのか。

まず、鍵は「key」である。
鍵は英語では「key」であるが、そんなことは知っているとか、
当たり前だとかの突っ込みはご勘弁を。
ここで、あえて「鍵はkeyである」などと表現したが、
日本では日常的に「鍵」という言葉が広い意味で使われているからである。
通常の会話の中で「鍵」と言った場合、それを英訳しようとすると、
文脈から判断して「key」と訳したり、「lock」や「lockset」とする必要がある。
例えば「鍵をなくした」という場合の「鍵」は「key」ですし、「鍵を掛ける」という場合の「鍵」は「lock」になる。
つまり、「鍵」とは「key」を指し、「錠」を開けるための道具のことにある。

錠の別の意味

次に、錠は「lock」である。
錠は英語で「lock」である。
一般的には「錠」のことを鍵ということが多く、日常使う分には全く問題はないのであるが、
正確には「錠」と「鍵」は違う物である。
「錠」は扉や引き出しなどに取り付けられている、閂(かんぬき)と閂を操作するための部品を指します。
扉などに取り付けられていて、扉などを固定するための機構部分を「錠」というのである。
「鍵を掛ける」という言葉も、正確には「錠を掛ける」ということになる。
外出などの際に外から「鍵を掛ける」場合は「鍵を使って錠を掛ける」が正しい使い方である。

そして、本題の錠前は「lockset」である。
で?「錠前」ってなに?と思われたかもしれません。
錠前は英語で「lockset」です。
つまり、「鍵」と「錠」のセットが「錠前」となる。
錠前の歴史ついて簡単に振り返る。
財産を守ることは昔から世界中の人々の関心事だった。
物を隠したり常に監視したりする以上に最もよくなされた対策は、道具を使ってそれらを守ることだった。
例えば紐で縛る場合、泥棒結びのように解いて結び直したことを検知したり、
ゴルディアスの結び目のように解くのが難しい結び方をした。

最初の錠前がどこで発明されたかは定かではないが、
エジプト、ギリシア、ローマなどでそれぞれ独自に発達したと見られている。
木製の錠前と鍵は4000年前のアッシリアで使われていた。
鍵のある最初の錠前としてピン錠(ピンロック)がある。
扉の穴からぶら下がったロープに錠前が通されている。
穴の開いた木製の円筒状のものが鍵となる。
その際円筒の長さが重要な意味を持ち、鍵を挿し込んだときに中のボルトが正しい長さだけ押される。
施錠する際はロープを引っ張って円筒の鍵を引き抜き、同時にボルトを引いて締める。
このような錠前を今も使っている地域もある(例えば、プエルトリコ)。

この錠前の欠点は破壊者がロープを穴に押込むことができる点で、
古代には錠前を破るために膠を鍵穴に入れた。
1900年代、エジプトで木製のピン錠と木製の鍵が発見された。
紀元前250年ごろに使われていたものと見られている。
ピン錠への初期の改良はピンの数を増やすことだった。
さらに、ピンの方向を変えてロープを使わなくとも鍵だけで開錠する力をかけられるようにした。
それによって現代のピンタンブラー錠の原理が確立された。
その後、今も見かけるウォード錠が開発された。
ウォード錠の鍵のデザインが現代の鍵の元になっている。
高いセキュリティが要求される場合は、錠前がある場所を隠したり、
偽の錠前を設置して盗賊に時間を浪費させるなどの対策を施した。

2012年4月20日